
収録曲
ツルヤトモオ "ジャズ・トリスト"
鶴谷智生(ds)、森泰人(b)、松本圭司(p)、 住友紀人(EWI/sax)
2007年11月21日リリース 定価¥2,000(税抜価格¥1,905)
ZAZZYレーベル ZCL-011
収録曲
ツルヤトモオ "ジャズ・トリスト"
鶴谷智生(ds)、森泰人(b)、松本圭司(p)、 住友紀人(EWI/sax)
2007年11月21日リリース 定価¥2,000(税抜価格¥1,905)
ZAZZYレーベル ZCL-011
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Album Review
雑誌、Webサイトに掲載されたアルバムのレビューです。>>
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JazzLife 2007年12月号(2007年11月14日発売)
リズム&ドラムマガジン 2007年12月号(2007年11月13日発売)
Tower Record
HMV
Interview
インタビューが掲載されています。
JazzLife 2008年1月号(2007年12月14日発売)
ADLIB 2008年1月号(2007年12月19日発売)
Musicians
住友紀人 Norihito Sumitomo
Saxophones
Electric Wind Instrument
Synthesizers
Message
“jazz trYst”
トリスト = 惹かれ合う者同士が密かに逢うこと。
2007年の夏、音楽の場でそんな出会いが起きました・・・
録音を前提とした構想を描き、メンバーを決め、ある晩たった1回のライブを行いました。
そのすぐ後、スタジオ収録でみんなが集まったのもたった一日。
レコーディングが進むにつれ、次第にサウンドやアルバム全体の作風など、いろいろなことが、
偶然としか思えない出来事によりことごとく変化していって、その結果幸運にも予想とは異なる
(いや、実はこうなることを望んでいた!)こんなにもすばらしいアルバムとなりました。
演奏にもたくさんの偶然と、これまた奇跡を予知できるすばらしいミュージシャン達の潜在能力により、
幸せを実現させるにあたり最適な選択が随所になされています。
これをセレンディピティー(偶然幸福発見能力)と形容するほか、なんといったらいいでしょう。
“ jazz trYst“と“Serendipity”
鶴谷智生のリーダー・プロジェクト“ jazz trYst”としての初アルバム。
プロデビュー20周年を記念して制作された。
スウェーデン在住のベーシスト森泰人氏とは今回が全員初共演となるなど、
このレコーディングが初めてとなるメンバーの組み合わせ。
曲も全曲、このグループとしての初演。
参加メンバーが積極的に書き下ろしのオリジナル曲やアレンジを持ち寄った
“ワン・アンド・オンリー”の意欲作。
未知という名の完成型に向かって進んでいったレコーディング。
特異な緊張感の中で繰り広げられた高密度な時間の記録。
全員の集中力が冴え渡り、連発されたミラクル・テイクの数々。
ライブも一晩限り、レコーディングも1日限り。
まさに一度だけの"jazz"な“trYst”。
その音の証し。あなたもぜひ体感してください。
Tomo'o Tsuruya
Liner Notes
M1 Little Smile
(written by Norihito Sumitomo)
『日の光を求め精一杯葉を広げる木々、ただただ親鳥の後を追うひな鳥、ひたすら海に流れ出ようとする川の水、みなとてもかわいい。
それはたぶん懸命に生きようとする命のひたむきさ。
そういう光景に触れるとなぜか人は微笑む』(住友紀人)
作家として数々の美曲を創造し続ける住友の最新作。
Kojikanatsuru「Live !」(Ragmania 2004 )やiTunes music store “AIRJAZZ #7 Juice of life ”(2006)に収録された鶴谷曲「Resurrection」の、言わば姉妹作。
アルバム全般に3拍子系を基調拍として意識し、他の4拍子などと対等に扱った今作の1曲目を華麗に飾る。
M2 The Ring
(written by Keiji Matsumoto)
レコーディング直前、六本木のライブハウス、アルフィーでの某セッションで松本が持ち寄った曲。その際に僕の中でセレンディピティが発動し!今回の選曲と相成った由。
松本の既出アルバム「PROMiSES」や前出の“AIRJAZZ # 10”にも収録済み。
たとえばキース・ジャレットを髣髴とさせるフォームの無限ループ的な作風。
Ring =「(無限の)輪」であり、また鐘の音や、響き、の意でもあり。
住友の2管の主旋律と、入魂のソプラノサックス・ソロ!
松本のピアノ・スタイルの究極美。本作における象徴的なテイク。
M3 She's Leaving Home
(written by John Lennon & Paul MaCartney
arranged by Keiji Matsumoto)
*今回のレコーディングに際して……「曲ごとにはっきりしたイメージがあったわけでは
ありませんが、鶴谷さんのドラムのサウンドを思い浮かべて、これまで一緒に演奏したいろいろな経験の中から、僕らがやるべきサウンド、メロディーを探り出しました。」 (松本圭司)
そして彼が新アレンジを施して持ってきたのがビートルズのこの曲。
奇数拍のコード・チェンジがメカニカルで、高度な演奏技術を要求する。
さらにサビは当初5拍子だった!がこれは変更。しかし愉快で楽しい。
M4 (Love at the)Second Sight
(written by Keiji Matsumoto)
松本の書き下ろし曲。美しくも自由に3拍子~4拍子を行き来する。
敢えて一途に、そして饒舌なブラシワークで臨む。
Love at the first sight = 一目ぼれ、の意味なのでこれは言うなれば「二目ぼれ」。
曲後半コーダ以降の展開でセレンディピティ発生!(前半との対比で言うならば、ここで恋心が芽生えた?)。
セカンド・サイトとは予知[透視]能力, 千里眼の意。
驚くべきシンクロニシティは3人が同時にギアチェンジしている瞬間!… まさしく超能力。
M5 Equinox Calling
(written by Keiji Matsumoto)
クラブ・イクスピアリでのこのバンドのライブ後、携帯に森さんからの電話。
「このメンバーなら、ひとつファンキーな手合いもやってみたいね。」
実は当初、収録予定にはなかったのだが、この一言で翻意決定。
結果的にアルバムにはマストなアイテムとなった。
「ほとんどが今回のために改めて用意した楽曲ですが、"Equinox Calling"は鶴谷さんのリクエストにより、ファンキー、キャッチーな曲を作ってみました。」(松本)
後半のピアノxドラムソロを瞠目して待つべし。恐るべし松本の左手!
M6 Momo(ライブ)
(written by Yasuhito Mori)
「これはAABA形式で書いた曲で、Aの部分は大分以前に書いたのですが、 甘ったるいメロディーでしたので没にしておりました。が、今から7~8年前、 Bの部分、俗にサビと云われる部分のメロディーが出来ました。この時、たまたま 3月3日の桃の節句の日で、しかもミカエル・エンデの有名な小説 "MOMO" を 読んでいた為に、このタイトルになり、以後定着した次第。」(森泰人) イクスピアリでのライブ収録音源。[和]を感じさせる切ないバラード。 EWIを熟知した住友が真骨頂を発揮。 「本作では鶴谷智生さんの幅の広い音楽性を聴いて頂きたいです! 住友さんのサックス、そして松本さんのピアノが光彩を放っているし、 お二人の書いた曲が素晴らしいです。」(森泰人Blogより)
M7 Last Scene
(written by Norihito Sumitomo)
『あんなに親しかったのになんとなく疎遠になった君。今どうしてる?
きっともう二度と逢うこともない。でも最後に見た君の顔、覚えてるよ。
そんな記憶の中の記念写真、何枚ある?』(住友)
住友の参加しているジャック・リー(Gt)のバンド「エイジアナジー」のレパートリーを連想させる大陸的・シネマテイックな新曲。
パーカッション・パートをいくつかダビングしエスニックな要素を盛り込んだ。
M8 Fool On The Hill
(written by John Lennon & Paul MaCartney
arranged by Keiji Matsumoto )
「Fool on the Hill のアレンジは少し前からありましたが、これもリクエストがあり、今回のアルバムに収録してもらえる事になりました。」(松本)
名アレンジ!期せずしてビートルズのカバーが2曲収録されることとなったが、この曲と「Across the universe」は僕の一番好きな曲で、楽器を始めたころ~中学時代を思い出す。
本CDに共通したリリカルな響きと繊細なタッチをご堪能ください。
M9 Serendipity
(written by Keiji Matsumoto)
「今回のプロジェクトは僕にとって、とても意義あるものになりました。
このメンバーでライブもやりたいし、また次作も参加したいですね。
リスナーの方々にも、この繊細かつダイナミックで美しい作品を愛していただければ、僕にとっても本当にうれしい事です。」(松本)
ライブテイクは4拍子だったが、スタジオ録音に際し作者は7拍子に急遽修正!!
タイトルトラックにふさわしい個性的な曲に仕上がった。
曲中“幸せを予感する瞬間”に気づくでしょう。
M10 Raindrops Keep Falling On My Head
(written by Burt Bacharach & Hal David
arranged by Keiji Matsumoto)
子どものころ、新潟の実家が経営する洋菓子店で毎日流れていた映画音楽。
「雨に濡れても」はそのうちの最も思い出深い一曲で「明日に向かって撃て!」(1969)のサウンドトラックである。
これをアレンジした松本は少年時代、町を巡回する清掃車のBGMとしてAメロの断片的なループを記憶していたという。それがこのアレンジの基となった。
森のウィットに富んだベースアプローチが冴え渡る。
終末にアンビエント系ミックス。今作の功労者=エンジニア、窪田氏の手腕。
そしてここから続くセレンディピティ・ストーリーに乞うご期待。
(鶴谷智生/敬称略)
November 2007